3年生の皆さんへ
2025年度の秋学期がスタートしました.春学期には,「フォトニクス」の授業で皆さんにお会いする機会がありましたが,秋学期は,物理情報工学実験C・DのB5テーマ 「光ファイバ」を石榑研究室のメンバーで担当し,そこで皆さんにまたお会いできることになります.このテーマでは,光通信の分野で重要な役割を担う「光ファイバ」の基本について学んでほしいと思っています.実際の光ファイバ・光デバイスを目で見て,手で触れてという五感に訴える実験にしようと色々なアイテムを揃えています.特に,2020年11月,コロナパンデミックのさなかに,古河電気工業株式会社様より,実際に見て,触れてもらえる,「光ファイバの前駆体,プリフォームロッド」をご提供頂くことができ,毎年,B5の実験時に体感してもらっています!是非,本物の光ファイバ母材を実際に見て,そして触れてみて下さい.
石榑研究室について
いよいよ,研究室えらびの時期が近づいてきましたね.少しでも石榑研究室の雰囲気が伝われば!と思い,随時,研究室見学も受け付けています.石榑研究室は,2025年3月より,22期生となる新4年生を迎え入れ,2025年度の研究活動を進めています.2018年度より,企業に務めながら博士課程に在籍する社会人ドクターも加わるようになり,2025年春学期からは,新たに1名画加わって.現在,社会人ドクター2名が在籍しています.企業に入ってからの仕事,企業で働く立場から見た大学,博士課程での研究についての相談に乗ってくれると思います.さらに,2022年5月からは中国からの留学生である尹 源甜さんが博士過程のメンバーに加わり,2024年10月からは,修士課程を早期修了した土信田隼丞さん,若林拓未さんが新たに博士課程に進学,2025年10月からは,パキスタンからの留学生,Abdul Wahab Qurashiさんが加わってくれました.留学生,社会人博士を含め6名の博士課程メンバーが修士課程以下のメンバーのサポートをしてくれています.10月に入って,国際共同研究を活発化するために,D2になった土信田さん,若林さんが,アイルランドのTyndall National Institute, ベルギーのGhent大学-imec, ドイツのFraunhofer HHIに短期滞在して共同での研究を行っています,
これまで,当研究室から発信してきた研究成果が国際的にも評価されていますが,石榑研究室では,研究室に所属する各メンバーが挙げた成果は,その研究に携わった本人が学会・国際会議・論文投稿の場で発表をしていってもらう方針をとっています.
国際会議
昨年度(2024年度)は,多くの会議が対面開催に戻って行われました.毎年11月には,IEEE CPMT Symposium Japan (ICSJ)が京都にて開催され,過去数年に渡り,毎年M2のメンバー及び博士課程のメンバーに発表してもらってきました.ICSJ2024は,立命館大学にて対面形式のみで開催されました.D1の若林さん,M2の酒井君が口頭発表を,当時同じくD1の土信田さん,M2の市塚君,伊藤さん,中村君がECRセッションのポスター発表を行いました.
12月には,Brithsh and Irish COnference on Optics and Photonics (BiCOP2024)がロンドンにて開催され,社会人博士の木下さんが招待講演を,同じく社会人博士の唐川さんが口頭発表を行い,M2の伊藤さん,M1の厚味君がポスター発表を行いました.
この後2025年度は,5月にポルトガルで開催されたInternational Conference on Optical Fiber Seonsors (OFS)にて博士課程の尹 源甜さんが口頭発表しました.今学会の口頭発表論文の採択率は10~15%と極めて狭き門ですが,その競争を勝ち抜いての発表となりました.この後は,11月京都開催のICSJ2025にて,D3の唐川さんおよびM2メンバー全員,さらに12月,ロンドンで開催されるBiCOP2025では社会人ドクターの唐川さん,水野さんが招待講演を行います.1月には,サンフランシスコで開催されるSPIE Photonics West2026にて,M1の中島さんなど,複数の国際会議で研究室メンバーの発表を予定しています.
学術論文
学術論文誌についてですが,現在博士課程の尹 源甜さんが「モスキート法により作製されたポリマー光導波路センサー」に関する成果をIEEE Sensors Jouranal誌に投稿し,採択されました. 同じくI尹 源甜さんが「PDMSベースの触覚センシング:3次元ポリマー導波路による圧力分布センサ 」に関する成果をOptics Express誌に投稿し採択されました.この論文は,発行元のOpticaの選定委員によって,優れた論文として選定され,EurekAlert(9月18日付)およびOptica自身のニュースリリース(9月26日付)に掲載されました.EurekAlertはScience誌の発行元であるAAASが運営する世界最大規模の科学ニュース配信サービスとのことで,石榑研究室初の快挙です.このOptics Express誌の論文は,同時に,発行元のOpticaが1ヶ月内に発行する全論文中,わずか数件の注目すべき論文である「Editors Pick論文」にも選ばれました! 2024年度D3に在籍していた社会人ドクターの 木下遼太さんが,「コパッケージ用エッジカプラとしてのポリマー光導波路の最適コア構造設計」に関する研究成果をOptics Express誌に投稿し,採択されるに至りました,この論文は,発行元のOpticaが1ヶ月内に発行する全論文中,わずか数件の注目すべき論文である「Editors Pick論文」に選ばれました!.
また,同じ2024年度に木下遼太さんがOptics Express誌に投稿していた「コパッケージにおけるポリマー光導波路とSMF間の結合損失の温度依存性」に関する研究成果をまとめた論文が採択されるに至っています.
受賞
2024年11月,京都にて開催された国際シンポジウムIEEE CPMT Symposium JAPAN (ICSJ2023)にて,口頭発表を行ったD1の若林巧未さんがYoung Researcher Awardを受賞しました.毎年のICSJでの受賞となります.
国内では,電子情報通信学会,エレクトロニクス実装学会を中心に,研究室のメンバーが多数発表を行なっています.その結果,また2023年3月,矢上キャンパスにて行われたエレクトロニクス実装学会講演大会にて,当時D2の木下さんが「ポリマー光導波路光学特性の温度依存性」と題する論文を発表し,第38回エレクトロニクス実装学会春季講演大会(於:東京理科大)にて研究奨励賞を受賞しました.
また,2025年3月に沖縄にて開催された行われた電子情報通信学会光エレクトロニクス研究会で,当時M2の酒井聖哉君が「シングルモードY分岐導波路の作製とモード分割多重デバイスへの応用」と題して発表した論文に対して学生優秀研究賞を受賞しました.この賞は,2014年度に三谷さんが受賞して以来,多くの石榑研究室のメンバー(13人目)が受賞しています.
共同研究
2010年度から,企業との共同研究を活発化させており,企業の研究者が研究室に来られてともに研究を進めたり,あるいは,研究室メンバーがインターンとして企業に通いながら研究を進めてもらったり,企業の設備を使わせていただきながら研究を進めてもらっています.企業との共同研究には,研究室メンバーである学生の皆にも直接関わってもらっています.さらに,国外との共同研究を加速しており,石榑研究室として,特別招聘教授(国際)として,2024年度は,Tyndall National InstituteのPeter O'Brien 教授,2025年度は,Ghent University-imecのGeert van Steenberge教授を招聘し,研究室メンバー向けに英語での最先端授業を行ってもらっています.2025年度は11月の中旬以降に,その授業の場を設けます.今後,これらの機関との共著の論文を発表していく予定にしています。 石榑研究室での研究の成果を,より実用に近づけるためにも,今年度もさらに共同研究を加速していきます.そのため,どちらかと言えば,基礎研究というよりも応用研究に近い研究テーマが多いのが石榑研究室の特徴です.その様な研究活動を日々行っている石榑研究室の様子を見てみたい,と思ったら是非,いつでも見学にいらしてください.
石榑研では,随時,研究室の見学を受け付けています.
質問,見学希望などは,メールにて
ishigure[at]keio.jp([at]を@マークに変えてください。)
2025年10月