3年生の皆さんへ
2024年度も,秋学期がスタートして約1ヶ月が経ちました.春学期には,「フォトニクス」の授業で皆さんにお会いする機会がありましたが,秋学期は,物理情報工学実験C・DのB5テーマ 「光ファイバ」を石榑研究室のメンバーで担当し,そこで皆さんにまたお会いできることになります.このテーマでは,光通信の分野で重要な役割を担う「光ファイバ」の基本について学んでほしいと思っています.実際の光ファイバ・光デバイスを目で見て,手で触れてという五感に訴える実験にしようと色々なアイテムを揃えています.特に,2020年11月,コロナパンデミックのさなかに,古河電気工業株式会社様より,実際に見て,触れてもらえる,「光ファイバの前駆体,プリフォームロッド」をご提供頂くことができ,毎年,B5の実験時に体感してもらっています!是非,本物の光ファイバ母材を実際に見て,そして触れてみて下さい.
石榑研究室について
いよいよ,研究室えらびの時期が近づいてきましたね.少しでも石榑研究室の雰囲気が伝われば!と思い,随時,研究室見学も受け付けています.石榑研究室は,2024年3月より,21期生となる新4年生を迎え入れ,コロナ禍明け,2024年度の研究活動を進めています.2018年度より,企業に務めながら博士課程に在籍する社会人ドクターも加わるようになり,2021年秋学期からは,当研究室の卒業生でもある木下遼太さんが加わってくれました.現在,社会人ドクター2名が在籍しています.企業に入ってからの仕事,企業で働く立場から見た大学,博士課程での研究についての相談に乗ってくれると思います.さらに,2022年5月からは中国からの留学生である尹 源甜さんが博士過程のメンバーに加わり,2024年10月からは,修士課程を早期修了した土信田隼丞君,若林拓未君が新たに博士課程に進学してくれました.現在は5名の博士課程メンバーが修士課程以下のメンバーのサポートをしてくれています.
これまでにも,研究室での成果が国際的にも評価されていますが,石榑研究室では,研究室に所属する各メンバーが挙げた成果は,その研究に携わった本人が学会・国際会議・論文投稿の場で発表をしていってもらう方針をとっています.
国際会議
昨年度(2023年度)から2024年度にかけては,多くの会議が対面式の開催となり,石榑研究室メンバーは,多くの成果を発表してきました.昨年6月には,当時M2の一之瀬さんが73rd IEEE Electronic Components and Packaging Technology Conferenece (ECTC2023) (対面開催 於:フロリダ州オーランド)にて発表を行いました.このECTCは,論文採択率が50%ほどでありとても権威の有る国際会議です. また,毎年,11月には,IEEE CPMT Symposium Japan が京都にて開催され,ここ数年は,すべてのM2のメンバー及び博士課程のメンバーに発表してもらってきました.2023年度は,博士課程の木下さん,尹さん,M2の至君,一之瀬君,近藤君が口頭発表を,同じく,M2の東君,小野君がポスター発表を行い,東君,小野君が,ECR Session Awardを受賞しました!
2024年度のICSJ2024では,M2の酒井君,若林君が口頭発表を,D1の土信田君,M2の市塚君,伊藤さん,中村君がポスター発表を行うべく,現在準備を進めています. さらに,12月に開催されるOptica British and Irish Conference on Optics and Photonics(BiCOP2024 於:London Savoy Place)では,D3の木下さんが招待講演,D2の唐川さんが口頭発表,M2の伊藤さん,M1の厚味君がポスター発表を行うべく,現在,準備を進めています。
今後も,現在のM1のメンバーを中心に様々な国際会議で成果を発表してくれることを期待しています.
この後2024年度も,11月京都開催のICSJ2024,ロンドン開催のBiCOPなど,国際会議で研究室メンバーの発表を予定しており,継続して研究室メンバーの成果が発表されます.
学術論文
学術論文誌についてですが,2022年に当時D3の高武さんが「超小型 VCSEL ベースの光学エンジンのための高密度電気および光学アセンブリ」に関する論文をIEEE Transaction on CPMT誌に,その後,2023年3月に「25.78 Gb/s 伝送へ向けた 90°曲げグレーデッド インデックス コア ポリマー導波路カプラを備えたVCSELベースの光トランシーバ」に関する論文を,Optics Continuum誌に投稿し,採択されました.同じ2023年3月には,当時M2の上原さんが,「3次元格子状に配列した円形断面マイクロ流路の作製と開閉バルブとしての利用」に関する論文をMicroに投稿し,採択されました.導波路とは異なるモスキート法の応用として検討を続けてきたマイクロ流路に関する初の原著論文です.さらに2024年6月には,D3の木下さんが,「Co-package用のエッジカプラーのためのポリマー光導波路の最適なコア構造設計」に関する論文をOptics Express誌に投稿し,採択されました.この論文は,1ヶ月に公刊されたOpticaの多くの原著論文の中から厳選されるEditors’Pick論文に選出されました!! 今年度は博士課程のメンバーに加えて,より多くのM2,M1のメンバーも学術論文の投稿を目指して準備をしています
受賞
2024年11月,京都にて開催される国際シンポジウムIEEE CPMT Symposium JAPAN (ICSJ2024)では,D1の若林巧未君がYoung Researcher Awardを,受賞することが決まりました!これで石榑研究室は8回目の受賞となります.
また,2024年3月には,M2の一之瀬凌斗君が,電子情報通信学会エレクトロニクス (OPE) 研究会 学生優秀研究賞を受賞しました!この賞は石榑研究室として昨年に続き9度目の受賞となりました!!3月に広島大学にて開催された電子情報通信学会全国大会で,対面式での授賞式・受賞記念講演が行われました!
さらに,D3の木下さんが,2023年3月,エレクトロニクス実装学会講演大会にて「GI 型コアによるポリマー光導波路-光ファイバ間接続損失の低減」と題する論文を発表し,2024年3月開催の第38回エレクトロニクス実装学会春季講演大会にて研究奨励賞を受賞しました.
共同研究
2010年度から,企業との共同研究を活発化させており,インターンとして企業に通いながら研究を進めてもらったり,企業の設備を使わせていただきながら研究を進めてもらっています.企業との共同研究には,研究室メンバーである学生の皆にも直接関わってもらっています.石榑研究室での研究の成果を,より実用に近づけるためにも,今年度もさらに共同研究を加速していきます.そのため,どちらかと言えば,基礎研究というよりも応用研究に近い研究テーマが多いのが石榑研究室の特徴です.その様な研究活動を日々行っている石榑研究室の様子を見てみたい,と思ったら是非,いつでも見学にいらしてください.
石榑研では,随時,研究室の見学を受け付けています.
質問,見学希望などは,メールにて
ishigure[at]keio.jp([at]を@マークに変えてください。)
2024年11月